こんにちは、turtleです。現在電磁気学を学んでおりまして、その備忘録のような形でこのブログを書かせていただいております。基本的に大学の内容となっていますが、数式さえ乗り越えれば高校生でも理解できると思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
このページは管理人の習熟度に応じて書き足していく予定です。
力学の歴史的経緯
自然界の物体は何かしらの相互作用によって運動しているように見えます。この直感を定式化するのが力学であって、粒子の運動がどのような法則で記述されるのか、そして私たちにはいったいなにが粒子の運動に見えているのか、というのは歴史的に探究され続けてきました。
はじめは1687年ごろ、ニュートンは”物体に力が加わるとそれに比例する加速度が生じる“という形で運動方程式を記述して、初等力学を体系化しました。この運動方程式は私たちの身の回りでおこる力学的運動から天体の軌道まで、幅広いさまざまな現象を説明する理論として有効であったため、19世紀ごろまではこれですべての範囲の説明ができると見なされていました。
ちなみに、ニュートン力学を数学的に言い換えたものがラグランジュ力学やハミルトン力学といった、解析力学とよばれる分野になります。解析力学の主張自体は初等力学と等価なのですが、作用やエネルギーに基づく、より一般的な枠組みを扱うことで、方程式や保存則の見方を変えて現代物理に接続するのにふさわしい形をつくったという意味があります。
さて20世紀に入ると、古典力学では説明のつかない現象が発見され、これまでの理論では不十分だと明らかになりました。よりミクロな範囲でみたときにおこる現象を扱う量子力学の理論や、より光速に近い、あるいは重力が強いときにおこる現象を扱う一般相対論がつくられることになり、粒子の運動はミクロにみると確定した”軌道”としては描けないこと、重力は力というより時空の曲がりとして理解されるべきであることなど、さまざまなことが見直されていきます。
これ以降は管理人の学習が追いつき次第加筆します。
古典力学(運動方程式による力学)
本稿では、歴史的経緯に沿った各段階で、何が原理として扱われてそこから何が定理として導かれるのかを見ていきます。なおはじめに、ニュートン力学、初等力学、古典力学はどれも同じものを指す用語であることを注意しておきます。まず、1687年ごろ、力学の黎明期においては、ニュートンによって以下の3つのことを証明できない原理として出発し、初等力学の理論が構成されました。
原理1.1(慣性の法則)
外力を受けないとき、物体は静止し続けるか、あるいは等速直線運動を続ける座標系(慣性系)が存在する。
原理1.2(運動方程式)
原理1.1が成り立つ座標系(慣性系)において、質量\(m\)の質点の位置を\(\boldsymbol{r}\)としたとき、物体に働く外力の合力\(\boldsymbol{f}\)との間に、\(m\ddot{\boldsymbol{r}}=\boldsymbol{f}\)が成立する。
原理1.3(作用反作用の法則)
物体Aが物体Bに力\(\boldsymbol{f}_{A \to B}\)を及ぼすとき、BはAに大きさが等しく向きが反対の力\(\boldsymbol{f}_{B \to A}\)を同時に及ぼす。
ニュートン力学というのは、これらの原理から出発しています。ところでよく考えると、原理1.1はわざわざ証明できないものだと納得しなくても、原理1.2で\(\boldsymbol{f}=\boldsymbol{0}\)とすると導けるような気がしますよね。それでも原理1.1を”原理”として掲げるのは、この力学がつくられた時代においてはアリストテレス的な価値観が支配的で、動き続けるには原因が要るという考え方が浸透していたからです。慣性の法則は、物体が”静止し続けるかあるいは等速直線運動を続ける”というところに力点があるわけではなく、むしろ”物体がそういう運動をする座標系が存在する“ということを主張の中心においているのです。原理1.1は原理1.2の内容の一部というよりも、適用舞台の存在を保証するという意味で原理1.2を土台として支えるものなのです。
さて、これらを前提として出発したニュートン力学において、ここから成り立つこと、導かれることは大量にあります。これらについてはそれぞれ別の稿で紹介していきます。
解析力学(古典力学の数学的言い換え)
解析力学とよばれる分野は、古典力学で説明できない現象について新たに理論を拡張するものではなく、ニュートン力学を数学的に言い換えたものと考えてよいです。つまり、先に述べたように、解析力学の主張自体は初等力学と等価なのですが、作用やエネルギーに基づく、より一般的な枠組みを扱うことで、方程式や保存則の見方を変えて現代物理に接続するのにふさわしい形をつくったという意味があります。
ラグランジュ力学
解析力学における「ラグランジュ力学」と「ハミルトン力学」は、どちらもニュートン力学を数学的に洗練して、再構築したものになりますが、世界を記述するために採用している根本的な原理と変数の選び方が異なります。言い換えると、解析力学には「ラグランジュ力学」と「ハミルトン力学」という2つの記述方法があるということです。
ラグランジュ力学は「始点と終点を定めたときにその区間における最適なルートを探す」という大局的な視点を持っています。ラグランジュ力学で原理とするのは以下のことです。
原理2.1(最小作用の原理)
力学系の一般化座標を\(\boldsymbol{q}=(q_1,q_2,…,q_N)\)、力学系に対応して定まるラグランジアンを\(L(\boldsymbol{q}, \dot{\boldsymbol{q}}, t)\)としたとき、\(i=1,2,…,N\)に対して以下が成り立つ。
$$
\frac{\partial L}{\partial q_i} – \frac{d}{dt} \frac{\partial L}{\partial \dot{q_i}} =0 \quad (i=1,2,…,N)
$$
ラグランジアンというのは”力学系に対して定まる量”であって、上の原理2.1の式を計算すると原理1.2の運動方程式になるような物理量のことです。誤解しないでほしいのは、ラグランジアンの定義が原理2.1である、つまり原理2.1の式を計算すると原理1.2の運動方程式が出てくるような物理量をラグランジアンと定義するというわけではないことです(というか、もしこう定義してしまうと、定義と原理2.1の間で循環論法になってしまいますよね)。
あくまで、ある力学系があったら、その系の粒子の位置を与える一般化座標\(\boldsymbol{q}=(q_1,q_2,…,q_N)\)、その時間微分\(\dot{\boldsymbol{q}}=(\dot{q_1},\dot{q_2},…,\dot{q_N})\)、そして時間\(t\)の関数を引数として定まる物理量でしかないということです。
では、結局ニュートン力学から進歩がないのではないか、むしろニュートン力学よりも非直感的でわかりにくくなったのではないかという疑義が出るのは当然です。ところが、これは半分正しい一方で半分間違っていて、この原理2.1の書き方は力学をより一般的にみるのに不可欠な記述方法であるわけです。
ラグランジュ力学について、ここから成り立つこと、導かれることは大量にあります。これらについてはそれぞれ別の稿で紹介していきます。
ハミルトン力学
ラグランジュ力学が「始点から終点までの最適なルート探し」という大局的な視点を持つのに対して、ハミルトン力学は「現在の状態から次の瞬間にどう状態が変化するか」という時間発展的な視点を持っています。そういう意味ではニュートン力学に近い書き方といえるかもしれません。
なお、ラグランジュ力学とハミルトン力学は、古典力学を記述する枠組みとして原則として互いに等価であり、数学的な変換を通じて自由に行き来することができます。つまりニュートン力学、ラグランジュ力学、ハミルトン力学の三者はどれも実質的には同じことを、言い方を変えて述べているだけということですが、それなのにどれも学ぶ対象として生き残っている理由は明らかで、相性がいい分野がそれぞれ違うからです。分野によって最適な見方をする力学体系を選んでいるということですね。
さて、ハミルトン力学で原理とするのは以下のことです。
原理2.2(正準方程式)
力学系の一般化座標を\(\boldsymbol{q}=(q_1,q_2,…,q_N)\)、力学系の一般化運動量を\(\boldsymbol{p}=(p_1,p_2,…,p_N)\)、力学系に対応して定まるハミルトニアンを\(H(\boldsymbol{q}, \boldsymbol{p}), t\)としたとき、\(i=1,2,…,N\)に対して以下が成り立つ。
$$
\frac{\partial H}{\partial q_i} = – \dot{p_i} \qquad
\frac{\partial H}{\partial p_i} = \dot{q_i}
$$
ハミルトニアンというのも、先に説明したラグランジアンと同じように”力学系に対して定まる量”であって、上の原理2.2の式を計算すると原理1.2の運動方程式になるような物理量のことです。
さて、ハミルトン力学について、ここから成り立つこと、導かれることは大量にあります。これらについてはそれぞれ別の稿で紹介していきます。
未執筆
これ以降は、管理人の習熟度に応じて書き足していく予定です。

コメント